君がたとえあいつの秘書でも離さない

 一枚板のテーブルに座り、お茶を頂く。
 一息ついたところで、彼が話し出した。

 「遙。知っていると思うが、入札はうちが落札した。おととい正式に連絡があった」
 
 「そうでしたか。石井ではないということは連絡があったのでわかっていました。ただ、恐らくそちらだということは前々からわかっていましたので、取締役も諦めているのか、特に反応してませんでした」
 
 「水面下で色々あったが、君が知ることはないだろう」
 
 「……それはどういう?」
 
 「だが、このままで終わるとは思っていない。弘君が残念そうでないのは、何か次の手を考えているからだと思う」
 
 「そうですね。私もそう思います。詳しくは私も知らないので言えませんが、最近とても忙しくいろんな方と会われているようですし」
 
 「君と会社や仕事のはなしをしないのは、もちろんお互いのためでもあるが、君を無用な争いに巻き込みたくないからだ。弘君がきみのことで敵対意識を強めるのは想像に難くないからね。その後、弘君とは大丈夫か?」 
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