君がたとえあいつの秘書でも離さない
赤ちゃんは翌日クリスマスが誕生日になった。
男の子だった。堂本父子の喜びようと言ったらない……。
2900g。健康で元気な赤ちゃん。健康なら性別なんてどうでもよかった。
安心した。
病院で私の手を握り、さすりながら……彼はゆっくり話し出した。
「遙、ありがとう。これでやっと本当に君を俺のモノにできた。絶対逃げられない。誰にも取られない」
「何?今更……」
「君に出会って、実は石井の秘書だとわかっていても、どうしてももう一度会って話したいと思ったときから、ずっと君を手に入れる方法を考えてきた。最初から障害ばかりで進めば進むほど森の中に入っていく君を手を伸ばして追いかける夢を見たこともある」