あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
ねぇ、幸希先輩。
どうして僕にあの時…"一緒に死のう"って言ってくれなかったんですか?
僕は…貴方と一緒なら死んでもよかった。
1人にしないで欲しかった。
「…誕生日の日でさえも暴力をふるわれたのでしょう。…痣がありました。その事を聞いてもはぐらかされてしまいましたけど。…先輩はそれでも僕に必死に笑ってくれていました」
僕は幸希先輩が本当に好きだ。
自分でもびっくりするくらい好きだ。
幸希先輩…お願いだから、死なないで……。
生きて……。
あの日…あの雨の日。
貴方が僕を助けてくれたんですよ?
そんな僕を貴方は置いて、先に逝ってしまうんですか?
「…お願いですから……幸希先輩をちゃんと見てあげてください!お願いします……。幸希先輩はあの時…死のうとしていた僕を助けてくれた大切な恩人です。幸せな希望ならちゃんと貴方も幸希先輩も幸せになってください…」
僕は床に手と頭をつけて土下座をする。
幸希先輩のためならなんでもやる。
だから幸希先輩…希望を…捨てないで。
まだちゃんとあるから。
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