完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
唇に触れるたび、体温が上がっていく。呼吸も乱れる。
人畜無害そうな顔をしておいて、井村のキスは巧みだった。悪い男のするキスだ。いや、善良な男も悪い男も知らないけれども。
そうこうしているうちに、背中や首に大きな手が触れてきて、千紗はぎゅっと目を閉じた。
体をゆっくり触られ、もはやこれまでかと思う。
──お、犯される。うっかり好ましいとか言っちゃったから?
井村は完全に理性を失っているかに見えたが、千紗が身を固くしているのに気づいて拘束を緩めた。
「今日は俺も我慢する。断腸の思いで。このまま寝よう」
明日はどうなんだろう。
寝れるわけがない……と思ったが、頭や背中をよしよしとされているうちに、なんだかもうどうにでもなれと思って、目を閉じた。