完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
「え、ひっ?」
キスだけでも、ついていけないのに、驚いて変な声が出た。先日もあちこち触られたが、今日の勢いはまるで違う。
「力抜いて。全身ガチガチだよ」
「そんなのわかんなっ」
よしよしと頬を優しく撫でられて、顔を覗き込まれる。
「ずっとずっとずーっとこうしたかった。千紗ちゃんのそばで、支えたかったし正々堂々守りたかった。ネットだけじゃなくて」
「ん」
耳元で囁かれ、体の芯が震えた。
──どうしよう。私も好きかもしれない……。ちょっと思ってたような爽やかな人ではないけど。
「ひぅ……」
「かわいい」
ぱくりと耳朶を食まれ、もう頭がろくに働かなくなる。
耳の輪郭に沿って、ゆっくりと舌でなぞられ、体から力が抜けてしまう。
「んーっ、や、やめ」
こういうことをするのは、果たして普通なのだろうか。色恋に無縁だった千紗にはわからない。
「敏感なんだね」
低くて甘い声が脳の中で響く。
耳朶に唇が触れて、飛び上がる。低い声が脳に直接響く。吐息が耳の中に入り、全身ぶるりと震えた。
「耳、弱いんだ?」
「ん……や、舌入れちゃ」
「こういうことは、お互いよく知ってからのほうが……」
「もう付き合い長いでしょ。一年以上ネットで恋愛ごっこしてたんだし」
ベッドで無防備なの千紗に、井村が体重をかけてのしかかる。