完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
「二人でなにを知ったかのように話してるんです!?」
「いやぁ、結構物分かりがいいのねぇ。千紗ちゃん、こういう年上で包容力ある人を彼氏にするといいよ」
「私恋愛はしません」
運ばれてきたエビチリをぱくぱく食べながら、千紗はムスっとしていた。
突然苦手な井村が乱入してきたから、仕方がないが、こちらとしてはこのチャンスを逃す手はない。
千紗が席を立った隙に、アイさんが切り出した。
「で、井村さんは、千紗ちゃんに完全に本気ということでいいんですね?」
「わかります?」
完全肯定すると、アイは深く頷いた。
「もちろん理解。目が完全にハンターだし。あの子はダイアモンドの原石。あのかわいさだけど男を寄せ付けない負のオーラがあるのは本当に残念。だがあの分厚い壁を破りさえすれば、めちゃめちゃ素直な千紗が待っていると思われる。ツンデレ属性」
「負のオーラ……確かに。ネットだと自分を開放してるみたいだけど。あ!」
しまった。つい千紗の動画のことを知っていると、口を滑らせてしまった。