【コミカライズ】人生3度目の悪役姫は物語からの退場を希望する
「もう、なんでもう少し穏便に済ませられないかなぁ」
「だって、この歳にしてあの論文理解しただけじゃなく、3カ国語使いこなせるんだぞ? うちの子天才じゃなかろうか」
「ごめん、お父様。ちょっとアレクおじ様に手伝ってもらった」
「アレクを動かしたのかー。さすが俺の娘だな」
利用できるものはなんでも利用したもの勝ちなんだぞ、ロイはロゼットの頭を撫でる。
「ロイ様はなんでも褒めすぎです」
そんなロイにため息をつくアリアに、
「でも俺アリアが同じ事しても褒めてるぞ? 昨日も笑顔でえげつなく相手を叩きのめしたくせによく言う」
「あれは向こうが全面的に悪いと思います」
そう反論するアリアの言葉を聞きながら、好戦的なのは母親譲りだもんなーとロイはロゼットの事を抱き上げて、ロゼットと顔を合わせて2人で笑う。
「あ、でも突然いなくなるのはダメだ。せめて書き置きすること」
ごめんなさいと素直に謝ったロゼットの淡いピンク色の瞳を見ながら、よくできましたとロイは優しく笑う。
普段ロゼットや自分に甘々だが、皇帝陛下として向き合う時は家族であっても容赦ないロイの本質は結婚当初から変わらないからまぁいいかとアリアは笑った。
「じゃ、ロゼも見つかったことだし、みんなでランチでも食べようか」
「……ロイ様、昼一会議では?」
というか、今は会議真っ最中の時間では? と尋ねるアリアに、
「サボった」
当たり前のようにロイはそう言う。
「…………はぁ、また。そんなだからロゼが真似するんです」
「「でも、やることはやってるし」」
ピッタリハモった2つの声を聞きながら、本当に2人ともやる事はキチンとやっているので強く言えずアリアは困ったなぁと苦笑する。マリーがこの場にいたらアリア様も大差ないですよと苦言を言われそうだ。
「ほら、アリアも行こう」
と琥珀色の瞳が微笑んで、ロゼを片手で抱え直すともう片方の手をアリアに差し出す。
クスッと笑ったアリアはそれに自分の手を重ねながら、
「ロゼ、私が物語から退場する日は来ないわ。この手を失うことは考えられないから」
と嬉しそうにさっきの問いを返す。
「そっか」
ロゼットは嬉しそうにそう言うと、アリアとその後ろにいる嬉しそうな顔をした荊姫に向けてにこにこと笑う。
「さ、行きましょう。みんな探してるし、ごはんも冷めちゃうから」
アリアがそう言うとロイは彼女の手を引いて歩き出す。
部屋から出る寸前、カーンと柔らかく響く音が耳に届きアリアは足を止める。
「どうした、アリア?」
不思議そうにコチラを見る彼の耳には、きっとこの音は聞こえなかったのだろう。
ふっと表情を緩めたアリアは、くるりと振り返り、
「今、幸せになれる音が聞こえた気がしたの。私の大好きな音がね」
何もない空間に向かって優しい口調でそう言うとありがとうとつぶやいた。
最愛の人に手を引かれ、アリアは今度こそ歩き出す。涙を流し、物語からの退場を希望していた悪役姫はもういない。
『やっぱりお姫様は幸せでなくっちゃね! ロゼット、次はあなたの番よ』
ふふんっと得意げな顔をした世界一わがままなお姫様とかつての悪役姫を交互に見たロゼットは、悪役姫の物語のエンドロールを眺めながら、自分にはどんな物語が待っているんだろうと楽しそうな顔で、アリアによく似た淡いピンク色の瞳を瞬かせたのだった。
ーーFin
「だって、この歳にしてあの論文理解しただけじゃなく、3カ国語使いこなせるんだぞ? うちの子天才じゃなかろうか」
「ごめん、お父様。ちょっとアレクおじ様に手伝ってもらった」
「アレクを動かしたのかー。さすが俺の娘だな」
利用できるものはなんでも利用したもの勝ちなんだぞ、ロイはロゼットの頭を撫でる。
「ロイ様はなんでも褒めすぎです」
そんなロイにため息をつくアリアに、
「でも俺アリアが同じ事しても褒めてるぞ? 昨日も笑顔でえげつなく相手を叩きのめしたくせによく言う」
「あれは向こうが全面的に悪いと思います」
そう反論するアリアの言葉を聞きながら、好戦的なのは母親譲りだもんなーとロイはロゼットの事を抱き上げて、ロゼットと顔を合わせて2人で笑う。
「あ、でも突然いなくなるのはダメだ。せめて書き置きすること」
ごめんなさいと素直に謝ったロゼットの淡いピンク色の瞳を見ながら、よくできましたとロイは優しく笑う。
普段ロゼットや自分に甘々だが、皇帝陛下として向き合う時は家族であっても容赦ないロイの本質は結婚当初から変わらないからまぁいいかとアリアは笑った。
「じゃ、ロゼも見つかったことだし、みんなでランチでも食べようか」
「……ロイ様、昼一会議では?」
というか、今は会議真っ最中の時間では? と尋ねるアリアに、
「サボった」
当たり前のようにロイはそう言う。
「…………はぁ、また。そんなだからロゼが真似するんです」
「「でも、やることはやってるし」」
ピッタリハモった2つの声を聞きながら、本当に2人ともやる事はキチンとやっているので強く言えずアリアは困ったなぁと苦笑する。マリーがこの場にいたらアリア様も大差ないですよと苦言を言われそうだ。
「ほら、アリアも行こう」
と琥珀色の瞳が微笑んで、ロゼを片手で抱え直すともう片方の手をアリアに差し出す。
クスッと笑ったアリアはそれに自分の手を重ねながら、
「ロゼ、私が物語から退場する日は来ないわ。この手を失うことは考えられないから」
と嬉しそうにさっきの問いを返す。
「そっか」
ロゼットは嬉しそうにそう言うと、アリアとその後ろにいる嬉しそうな顔をした荊姫に向けてにこにこと笑う。
「さ、行きましょう。みんな探してるし、ごはんも冷めちゃうから」
アリアがそう言うとロイは彼女の手を引いて歩き出す。
部屋から出る寸前、カーンと柔らかく響く音が耳に届きアリアは足を止める。
「どうした、アリア?」
不思議そうにコチラを見る彼の耳には、きっとこの音は聞こえなかったのだろう。
ふっと表情を緩めたアリアは、くるりと振り返り、
「今、幸せになれる音が聞こえた気がしたの。私の大好きな音がね」
何もない空間に向かって優しい口調でそう言うとありがとうとつぶやいた。
最愛の人に手を引かれ、アリアは今度こそ歩き出す。涙を流し、物語からの退場を希望していた悪役姫はもういない。
『やっぱりお姫様は幸せでなくっちゃね! ロゼット、次はあなたの番よ』
ふふんっと得意げな顔をした世界一わがままなお姫様とかつての悪役姫を交互に見たロゼットは、悪役姫の物語のエンドロールを眺めながら、自分にはどんな物語が待っているんだろうと楽しそうな顔で、アリアによく似た淡いピンク色の瞳を瞬かせたのだった。
ーーFin


