飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「ひどいなー。人をG呼ばわりするなんて」


 振り返ると、玄関マットの上に仁王立ちして私を見下ろす、上裸の夏宮くん。

 やっぱり目のやり場に困る。


「と、とにかく、なんか服、持ってくるから!ソファに座って待っててくださいっ!」

 そう言って縮こまりながら夏宮くんの横を抜けると、夏宮くんは「はーい」と力の抜けた返事をしてソファの方へと行った。

 ……それにしても、なんで?

 なんで裸の夏宮くんがうちに?

 普通に不法侵入だし公然わいせつだけど、夏宮くんの様子からして、きっと何か事情があるんだろうと思う。

 ……ん?

 そういえばさっきの猫ちゃんはどこに……
 

 ボフンッ!


 !
 

 後ろから軽い爆発音がして、振り返る。

 夏宮くんが……いない。


「え……⁉」


 夏宮くん⁉どこに行ったの⁉
 

「……えー」


 ソファの下の方から夏宮くんの声がした。

 とりあえず無事らしいことにホッとしつつ、私はソファの下を覗きこんだ。

 
「……あれ?」

 
 さっきの猫ちゃんが、ブランケットをかぶって転がっている。


「君、ここにいたんだ……!」


 ソファの下に隠れてたのかな?

 ん? 夏宮くんは?


 夏宮くんを探して辺りをキョロキョロ見渡した時、
 

「戻んのはえー……」

 
 猫ちゃんが、夏宮くんの声で呟いた。


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