飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
「っ、 「あー叫ばない叫ばない」


 私は悲鳴を飲み込んで、夏宮くんは冷静にタオルケットを下半身に巻いた。


「⁉︎、…⁉︎」

「なるほど。凛に触ると人間に戻れるのか」


 なん

 なんですって?


 もはや声にならない私に、夏宮くんがフッとイケメンスマイルを浮かべる。


「凛」


 当たり前のように私を下の名前で呼ぶ夏宮くんが、私に距離を詰める。

 それに合わせて私は後ずさるけど、夏宮くんはどんどん近寄ってくる。


 わ、わ!

 引き締まった身体が、かっこいい顔が、眩し……!


 そしてとうとう壁に追いやられる。



「ごめん……もうだめ……」


 夏宮くんが私の肩に頭をポスッと置いた。


 ⁉︎


「へ!?ちょ、⁉」


 肩の重みに嫌でもドキドキして顔が熱くなってきてしまう。


「な、夏宮くんっ、あの……っ」


 もうだめって、どういう意味……⁉︎




 ……ぐ~ぎゅぉぉぉおお~!
 
 
 





……夏宮くんのお腹から、ものすごい音が鳴った。

 お腹に新生物でも飼ってるのかという音だ。



「腹……減った……」



 そう絞り出した夏宮くんは、もう一度お腹から新生物の鳴き声を出した。
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