飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 ……夏宮くん、一晩中猫の姿であの街の中にいたんだ。

 言われてみれば夏宮くん、腕や顔に小さな擦り傷がある。

 本当に大変だったんだろうな……。


 ……それは、そうと。


「あの……夏宮くん」


 私は、ずっと気になっているあることについて言及することにする。


「ん?」


 聞きたいこと、言いたいことは山ほどある。

 その中でも、今、早急に、夏宮くんに確認しないといけないことがある。


「あの……足……」

「足?」

「……なんで足、くっつけてるの……?」


 夏宮くんの足が、ずっと私の足に触れている。

 逃げても逃げてもくっついてくる。


「……ん?」


 私の言わんとしてることはわかってるだろう夏宮くん。

 嬉しそうにニコニコしながら私の足を両足で挟んで、私の足が逃げられないようにしてる。


「……っ、離してくれない、かな?」

「やだ」

「えっ」

「猫んなっちゃうんだもん」


 そう言って可愛すぎる笑顔を添える夏宮くん。

 その可愛さに白目をむいて昇天しそうになるのを必死に堪える月寄凛。


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