飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
✧˙⁎⋆

  
「……あ、これ違う」

「えっ」


 ローテーブルで宿題をする私の隣で、洗濯物を畳んでくれてる夏宮くんが言った。

 夏宮くんはしっかりちゃっかり、自分の背中を私の腕にくっつけている。

 そんな彼の視線の先には、さっき私がやり終えた数学の宿題。

 私が必死に頭を悩ませてようやく解いた問題を、ここ、と指差した。
 
「yはxに反比例するから、xに2を代入してyは-6を代入するだろ?」

「……?」

 今の呪文はいったい……?

 かたまる私を見かねた夏宮くんが、一度洗濯物を置いて、私の腕に腕をくっつけて私の筆箱からシャーペンを取り出す。

 腕の感触に、ドクンと胸が高鳴る。

 うぅ……猫になりたくないのはわかったけど、何回触られても慣れない……。

 まったく気にしてない様子の夏宮くんは、シャーペンの頭側でグラフを示しながら説明を始める。


「このグラフのこっち側がマイナスで、aを求めるにはー……」


 夏宮くんが私の消しあとだらけのノートにサラサラと解答を書きだしてくれるのを、私は息を止めて見つめる。

 夏宮くんの透き通る声が、ダイレクトに耳に入ってくる。

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