幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
 ごとん、ごとんと走る電車は、今ではあまり乗らないものになっている。

 不思議なものだ、OLをしていた頃には毎日のように通勤で乗っていたのに。

 なんとなく不思議な感覚を覚えつつ、沙也は帰りに寄りたいお店の調べ物などをスマホでしていたのだけど、不意にスマホの画面は切り替わった。

 音が流れ出すので沙也はちょっとびっくりした。

 着信だ。

 でもメッセージアプリの通話ではない。

 電話だ。

 しかも……非通知。

 フリーダイヤルでもない。

 どこから、誰からだろう。

 沙也は眉を寄せてしまう。

 明らかに不審だった。

 しかし、その感覚が沙也になにかを思い出させる。

 どきっとした。

 今となってはもう数ヵ月前。

 あのマンションに住んでいたとき、やはり正体のわからないインターホンがあったではないか。

 あのときと……まさか、同じ?
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