幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
 しかし切り出そうとしたところで、真悠が遮り、先に言う。

『やっと色々整ったから、私も終わりにしようと思ったの』

 静かに言われたけれど、沙也はかえって疑問が深くなった。

 整った?

 終わりにする?

 なにを?

 でもどれから聞いたものかと思って、すぐに言葉が出なかった。

 その間に真悠はしゃべっていく。

『本当はもっと早くしたかったんだけどね。家のほうで片付けることが多くて』

 話している内容もよくわからなかったし、真悠が電話をかけてきた理由がそもそもわからなかったけれど、なんとなく沙也は感じた。

 胸の奥が、ざわざわしてくる。

 悪い予感、といっていい。

『このあときっぱりするって言ったでしょ? 決別するわ』

 その通りのことを、真悠は言った。
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