時をこえて、またキミに恋をする。
そうこうしているうちに、赤紫色の光が大きくまぶしくなっていく。


「宗治くん、そろそろ行かねば」

「気をつけてな」

「ああ。ありがとう、じいちゃんばあちゃん」


宗治は縁側に正座するおじいちゃんとおばあちゃんの目線の高さに合わせるようにしてかがむと、にっこりと微笑んだ。


「宗治くん、これを忘れるわけにはいかないだろ?」


そう言って、お父さんは桜華を手渡した。

夜に宗治が素振りをするとき以外は、ずっとお父さんが預かっていた。


「ありがとう。それと、修学旅行のときは勝手に持ち出してごめんなさい」

「そのことはもういいよ。あっちに行っても元気でな」


励ますように、お父さんは宗治の肩をたたいた。


「宗治くん。その甚平の格好でもいいけど、これも持って帰ったら?」


お母さんが宗治に差し出したのは、着物と袴。
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