時をこえて、またキミに恋をする。
『その気持ち、大切にしなさいね』


…あの言葉の意味は、そういうことだったのか。


お母さんの想いが胸にしみる。


「宗治くん!都美のこと、お願いね」


指で涙を払うと、お母さんは宗治に向かって手を振った。


「いってらっしゃい、都美」


満面の笑みのお母さん。


もしかしたら、これが最後かもしれない。

わたしの決断によっては、もう会えないかもしれない。


それでもお母さんはわたしの気持ちを尊重して、笑って送り出してくれた。


その想いに、涙があふれる。


「いってきます!」


わたしは縁側から見守る家族に大きく手を振ると、宗治とともに御神木へ歩み寄った。


「「行こう」」


そうして手を繋ぐと、わたしたちは赤紫色の光に包まれたのだった。



「…寒っ!!」


あまりの寒さに身震いして、すぐに我に返る。
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