時をこえて、またキミに恋をする。
「宗治、どこにいるの?」


庭の松の木に隠れて様子をうかがっていると、赤い着物の裾をすりながら、都子姫が屋敷中を探し回っていた。


「宗治、早く行ってきなよ」

「でも、お前は…」


不安そうな表情でわたしを見つめる宗治。


前までなら、愛しい都子姫のもとへ飛んでいったはずだけど、今ではわたしの身を心配してくれる優しさがうれしい。


「大丈夫。わたしなら、しばらくここに隠れておくから。それに、顔に巻く包帯も必要でしょ?取ってきてよ」


わたしと都子姫は、瓜二つの顔。

同じ顔だとバレないためにも、以前のように包帯で顔を隠さなくてはならない。


「それに、宗治は都子姫に仕える剣士なんでしょ。自分の仕事は、ちゃんとしないとダメだよ」


わたしがそう言うと、宗治は納得はしていなさそうな表情だったけど、こくんとうなずいた。
< 242 / 279 >

この作品をシェア

pagetop