時をこえて、またキミに恋をする。
早めにお屋敷のみんなを避難させることができるし、もっと言えば出火原因を特定して、火事を未然に防ぐこともできるかもしれない。


「俺は、今日は一睡もしないで屋敷を見回ることにする」

「わたしも手伝う!火事になるとわかってて、のんきに待ってなんていられないからっ」


都子姫にもお屋敷の人にも優しくしてもらった。

だから、その恩返しとして、明日からも変わらない日常を過ごしてもらうためにわたしも力になりたい。


「びぃ様、少しよろしいでしょうか」


そのとき、壱さんの声が障子越しから聞こえた。


「…はい!なんでしょうか?」

「先程から宗治を探しているのですが、こちらのお部屋におりませんでしょうか?」

「宗治なら、ここにいますよ!」


わたしが声をかけると、壱さんは断りを入れて障子を開けた。
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