再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
しばらくして車が着いたのは、大学病院の救急外来。
私は走って受付に向かい、後ろから凛人を抱いた尊人がついて来ていた。
「すみません、救急車で運ばれた佐山の家族ですが」
「佐山さん・・・今はまだ処置中ですね。すみませんが、もう少々お待ちください」
やはりまだ診察の途中らしい。
「あの徹が、弟が中にいるはずなんですが、呼んでいただけませんか?」
徹が一緒に救急車に乗るって言っていたから、一緒に来ているはず。
せめて徹からでも状況を聞きたい。
「えっと・・・ああ、佐山先生ですか。お呼びしますので、あちらの待合でお待ちください」
受付のスタッフはすぐに事情を理解したようで、どこかに電話を掛けてくれた。
それから待合で待つことになった私たち。
凛人はすっかり尊人に懐いてしまって、文句も言わずに膝に抱かれていた。
「ごめんね、尊人」
「何度同じことを言うつもりだ。俺と凛人君ことは気にしなくていいから」
「うん、ありがとう」
幸い、今日の尊人のスケジュールに大きな会議はない。
だからと言って暇なわけではない。こうやって会社へ行くのが遅れれば、仕事は必然的に溜まっていく。
どこかで無理をして処理する時間を作るしかなくなるんだが・・・
「ねえ、仕事は・・・」
「しつこいぞ。1日や2日席を空けたくらいで仕事が滞るほど俺は無能じゃないから、心配するな」
「そう、よね」
そのことは側で仕事をする私が一番よく知っているはずだものね。
どうやら私は、自分で思っている以上に動揺しているらしい。
私は走って受付に向かい、後ろから凛人を抱いた尊人がついて来ていた。
「すみません、救急車で運ばれた佐山の家族ですが」
「佐山さん・・・今はまだ処置中ですね。すみませんが、もう少々お待ちください」
やはりまだ診察の途中らしい。
「あの徹が、弟が中にいるはずなんですが、呼んでいただけませんか?」
徹が一緒に救急車に乗るって言っていたから、一緒に来ているはず。
せめて徹からでも状況を聞きたい。
「えっと・・・ああ、佐山先生ですか。お呼びしますので、あちらの待合でお待ちください」
受付のスタッフはすぐに事情を理解したようで、どこかに電話を掛けてくれた。
それから待合で待つことになった私たち。
凛人はすっかり尊人に懐いてしまって、文句も言わずに膝に抱かれていた。
「ごめんね、尊人」
「何度同じことを言うつもりだ。俺と凛人君ことは気にしなくていいから」
「うん、ありがとう」
幸い、今日の尊人のスケジュールに大きな会議はない。
だからと言って暇なわけではない。こうやって会社へ行くのが遅れれば、仕事は必然的に溜まっていく。
どこかで無理をして処理する時間を作るしかなくなるんだが・・・
「ねえ、仕事は・・・」
「しつこいぞ。1日や2日席を空けたくらいで仕事が滞るほど俺は無能じゃないから、心配するな」
「そう、よね」
そのことは側で仕事をする私が一番よく知っているはずだものね。
どうやら私は、自分で思っている以上に動揺しているらしい。