再会した財閥御曹司は逃げ出しママと秘密のベビーを溺愛で手放さない~運命なんて信じないはずでした~
船上パーティーは本当に華やかなものだった。
生バンドの演奏の中で美味しいお酒やお料理を食べ、参加者は次々と談笑をする。
私も尊人さんについて会場を歩き、多くの方々と会話をした。

「三朝副社長が女性連れなんて珍しいからてっきりパートナーかと思ったんですが、秘書さんでしたか」
「ええ、佐山と申します」
何度もこんな会話をして名刺交換を行った。

「俺としてはパートナーでもいいんだが」
相手がいなくなった途端ポロリと洩らされる尊人さんの言葉は、聞こえないふり。
そんな事を繰り返しながら、時間はあっという間に過ぎていった。

「ちょっと挨拶してくるよ。悪いけれど、少し待っていてくれる?」
誰かを見つけ、なぜか焦った様子の尊人さん。

「わかりました、私はデッキに出てみますね」
「ああ、わかった」

ちょうど風に当たりたいと思っていた私は、パーティー会場から出てデッキに上がった。
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