悪役令嬢リセルの恋
「いつでもあなたを守ることを誓います。あなたには俺がいることを、覚えていてください」
「え、あの……」

 それはどういう意味……という疑問の言葉は、立ち上がった彼の人差し指が唇に触れたため口にできなかった。

「ダメですよ」

 微笑んでいるけれど、断ることは許さない、という気迫が伝わってくる。

「それでは、祭りの夜、お待ちしています。必ずここでお会いしましょう」

 ──まるで告白されたような……。
 さわやかにローブを翻した彼の背中を見つめ、リセルは恋心を抱いているのを自覚していた。
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