悪役令嬢リセルの恋
「まあ! こんなにたくさんの素敵なリボンとレースが! もしかして、小鳥さんたちのプレゼントなの? うれしいわ。これで舞踏会用のドレスを華やかにできるもの!」

 相変わらずに心が純粋なシンデレラ。
 喜びにまみれている声を聞き、リセルはニヤッとほくそ笑んだ。
 リセルが屋根裏部屋に忍び込んだとき、作りかけのドレスがあったのだ。今回手に入れたもので装飾を施せば、プロが仕立てたものとそん色ないものが出来上がるだろう。
 それを壊すのは心が痛むが、悪役令嬢リセルのお役目なのだ。仕方がない。
 リセルの努力のおかげでシンデレラの美貌は日々増していき、ちゃくちゃくとドレスが仕上がっていく。

 そんな日々がすぎ、やってきた祭りの当日。
 リセルは平民のショップで手に入れた服を身に着け、通りに出かけた。
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