悪役令嬢リセルの恋
姉が容赦なくウェスト部分にハサミを刺し、下に向かってざくざくと切り裂いていく。リセルも良心を痛めつつ、胸元のレースを引きちぎった。
「ふん、これでいいわ。あんなみすぼらしい女がシルフィードの娘だなんて、恥にしかならないもの。屋敷でおとなしくしてればいいのよ」
高笑いをする姉に続き、リセルは胸をズキズキと痛めながら屋根裏部屋を後にした。
階下に下りていくと、シンデレラが伯爵夫人のもとに来ていた。
「お母さま。お掃除が終わりました」
「ほんとうかい? 完璧なんだろうねぇ?」
「はい、隅々まで磨いてあります。ですから、私も舞踏会にいく支度をしたいのです」
伯爵夫人はシンデレラを見下すように笑った。
「おまえごときがねぇ、本気で舞踏会に参加できると思ってるのかい?」
伯爵夫人はテーブルに置かれていたティーポットを手にし、中身を床にとぽとぽとこぼした。
「おやぁ? また汚れちまったねぇ。多分、あっちの部屋も向こうの部屋も汚れてるんじゃないかねぇ? しっかり掃除をしないと」
綺麗にした部屋をわざと汚して仕事を命じる下衆ぶりは、さすが世界の悪役令嬢の手本といえる。リセルなど足元にも及ばない。
シンデレラは青ざめ、ぶるぶると震えている。
──ひょっとして、これ、エンドレスじゃないよね?
そんなはずはない。シンデレラは必ず舞踏会に来るのだから。
「ふん、これでいいわ。あんなみすぼらしい女がシルフィードの娘だなんて、恥にしかならないもの。屋敷でおとなしくしてればいいのよ」
高笑いをする姉に続き、リセルは胸をズキズキと痛めながら屋根裏部屋を後にした。
階下に下りていくと、シンデレラが伯爵夫人のもとに来ていた。
「お母さま。お掃除が終わりました」
「ほんとうかい? 完璧なんだろうねぇ?」
「はい、隅々まで磨いてあります。ですから、私も舞踏会にいく支度をしたいのです」
伯爵夫人はシンデレラを見下すように笑った。
「おまえごときがねぇ、本気で舞踏会に参加できると思ってるのかい?」
伯爵夫人はテーブルに置かれていたティーポットを手にし、中身を床にとぽとぽとこぼした。
「おやぁ? また汚れちまったねぇ。多分、あっちの部屋も向こうの部屋も汚れてるんじゃないかねぇ? しっかり掃除をしないと」
綺麗にした部屋をわざと汚して仕事を命じる下衆ぶりは、さすが世界の悪役令嬢の手本といえる。リセルなど足元にも及ばない。
シンデレラは青ざめ、ぶるぶると震えている。
──ひょっとして、これ、エンドレスじゃないよね?
そんなはずはない。シンデレラは必ず舞踏会に来るのだから。