悪役令嬢リセルの恋
リセルはぐっと唇を引き結んだ。
──クロードが知っても、悪評の噂に惑わされないといいけれど……。
ダンスホールに行くには階段を下りていく必要がある。
途中でホールを見渡せるテラスのような場所を通るため、ホールからは誰が入場してきたのか一見してわかるつくりになっている。
そのため、姉とふたりで会場に足を踏み入れただけで目立ってしまい、階段を下りる最中でもあちらこちらでヒソヒソとささやいているのがわかり気分が沈みそうになる。
でも、見つめてくるクロードの青い瞳、優しい声、守ってくれるたくましい腕。思い出せばリセルの心に勇気が湧いてくる。
彼のためにも堂々としていよう。そう決め、毅然と前を向いた。
──クロードはどこにいるのかな?
ホールに着いて周囲を見回してみるけれど、貴賤問わずにしたおかげで人が多すぎて、前に進むのも至難の業だ。
クロードが蝶のアクセサリーをくれた意味を理解できた気がした。赤い髪によく映える蝶は唯一無二の輝きがある。
「そういえば、今夜は大公国の公子さまや隣国の王子さまも来られているはずよ。それらしいお方を見つけたら、すぐに教えてちょうだい」
姉は獲物を探すハンターのように周りを見回している。
──クロードが知っても、悪評の噂に惑わされないといいけれど……。
ダンスホールに行くには階段を下りていく必要がある。
途中でホールを見渡せるテラスのような場所を通るため、ホールからは誰が入場してきたのか一見してわかるつくりになっている。
そのため、姉とふたりで会場に足を踏み入れただけで目立ってしまい、階段を下りる最中でもあちらこちらでヒソヒソとささやいているのがわかり気分が沈みそうになる。
でも、見つめてくるクロードの青い瞳、優しい声、守ってくれるたくましい腕。思い出せばリセルの心に勇気が湧いてくる。
彼のためにも堂々としていよう。そう決め、毅然と前を向いた。
──クロードはどこにいるのかな?
ホールに着いて周囲を見回してみるけれど、貴賤問わずにしたおかげで人が多すぎて、前に進むのも至難の業だ。
クロードが蝶のアクセサリーをくれた意味を理解できた気がした。赤い髪によく映える蝶は唯一無二の輝きがある。
「そういえば、今夜は大公国の公子さまや隣国の王子さまも来られているはずよ。それらしいお方を見つけたら、すぐに教えてちょうだい」
姉は獲物を探すハンターのように周りを見回している。