悪役令嬢リセルの恋
他国の王族は皇太子の成人を祝うため数日前から帝国に滞在しているらしい。そのためか、万が一の事態に備えて青狼騎士団員がホールの壁に沿うように立っている。
突如ラッパが鳴り響き、騒がしかったホール内が静寂に包まれた。
「セドリック・クロードテン・クリステール皇太子殿下の、ご入場でございます!」
リセルたちが入ってきた入り口と正反対にある扉がガコンと開き、人影が現れると皆が一斉にうつむき、殿下に対する礼をとる。リセルもドレスの裾をつまみあげ、膝をまげて腰を低くした。
「皇太子殿下、どんなお方かしら。素敵だって噂だけど」
隣で姉がひそっとつぶやき、にやりと笑った雰囲気がした。
リセルも気になるけれど、心の中にはクロードしかいない。それに皇太子はシンデレラの相手である。それは、原作に書かれていることで決して覆ることがない。
クロード以外の男性にはまったく興味が涌かない。
彼と一緒にいたい。話をしたい。ダンスをしたい。ずっとクロードの青い瞳を見つめていたい。
それに、シンデレラの様子も気になっている。ちゃんと魔法使いに会って、美しく変身しているだろうか。いつ来るのか。
「みんな舞踏会によく来た。貴賤なき今宵は無礼講としよう。踊り、騒ぎ、心ゆくまで楽しんでくれ」
わーっと歓声が上がり、音楽が奏でられる。舞踏会の始まりだ。
──あれ、でも、今の声は……気のせい?
突如ラッパが鳴り響き、騒がしかったホール内が静寂に包まれた。
「セドリック・クロードテン・クリステール皇太子殿下の、ご入場でございます!」
リセルたちが入ってきた入り口と正反対にある扉がガコンと開き、人影が現れると皆が一斉にうつむき、殿下に対する礼をとる。リセルもドレスの裾をつまみあげ、膝をまげて腰を低くした。
「皇太子殿下、どんなお方かしら。素敵だって噂だけど」
隣で姉がひそっとつぶやき、にやりと笑った雰囲気がした。
リセルも気になるけれど、心の中にはクロードしかいない。それに皇太子はシンデレラの相手である。それは、原作に書かれていることで決して覆ることがない。
クロード以外の男性にはまったく興味が涌かない。
彼と一緒にいたい。話をしたい。ダンスをしたい。ずっとクロードの青い瞳を見つめていたい。
それに、シンデレラの様子も気になっている。ちゃんと魔法使いに会って、美しく変身しているだろうか。いつ来るのか。
「みんな舞踏会によく来た。貴賤なき今宵は無礼講としよう。踊り、騒ぎ、心ゆくまで楽しんでくれ」
わーっと歓声が上がり、音楽が奏でられる。舞踏会の始まりだ。
──あれ、でも、今の声は……気のせい?