悪役令嬢リセルの恋
しかし、公子のもとに急ぐリセルの前を遮るように、すっと人影が現れた。
「あらぁ、リセル嬢じゃない。お久しぶりね」
ニヤリと笑う三人のご令嬢だ。彼女たちはリセルをライバル視していて、顔を合わせれば必ず絡んでくる人たちだ。
「リセル嬢。ひょっとして、あそこにおられる公子さまにお声をかけようとしているのかしら。相変わらず、ずうずうしくてあさましいお方ね。没落寸前のご令嬢なんて、お相手されるはずもないのに」
三人してクスクスクスと嫌味な笑みを向けてくる。挑発し、リセルに騒ぎを起こさせるのが目的だろう。
リセルは意に介さない表情を作り令嬢たちに向けた。
「まあ、あさましいだなんて、とんでもありません。ここは開かれた社交の場ですもの。私は、積極的に交流をしているだけですの」
リセルは「私のことより」と言葉を継ぎ、ご令嬢方のドレス姿をちらりと眺め、「ふっ」と見下すような笑みを向けた。
「ドレスも行動も奥ゆかしいあなたたちは、今夜も立派な肖像画が描けそうですわね。素敵な仕上がりになること、期待してますわ」
今夜も肖像画が描けるほどに動きがないだろう。リセルの皮肉に対して令嬢たちは顔を赤らめ、悔しげに「うっ」と声を上げる。怒りをあらわにしていても、言葉が出ないようだ。
「では、私は忙しいので失礼いたしますわ」
「あらぁ、リセル嬢じゃない。お久しぶりね」
ニヤリと笑う三人のご令嬢だ。彼女たちはリセルをライバル視していて、顔を合わせれば必ず絡んでくる人たちだ。
「リセル嬢。ひょっとして、あそこにおられる公子さまにお声をかけようとしているのかしら。相変わらず、ずうずうしくてあさましいお方ね。没落寸前のご令嬢なんて、お相手されるはずもないのに」
三人してクスクスクスと嫌味な笑みを向けてくる。挑発し、リセルに騒ぎを起こさせるのが目的だろう。
リセルは意に介さない表情を作り令嬢たちに向けた。
「まあ、あさましいだなんて、とんでもありません。ここは開かれた社交の場ですもの。私は、積極的に交流をしているだけですの」
リセルは「私のことより」と言葉を継ぎ、ご令嬢方のドレス姿をちらりと眺め、「ふっ」と見下すような笑みを向けた。
「ドレスも行動も奥ゆかしいあなたたちは、今夜も立派な肖像画が描けそうですわね。素敵な仕上がりになること、期待してますわ」
今夜も肖像画が描けるほどに動きがないだろう。リセルの皮肉に対して令嬢たちは顔を赤らめ、悔しげに「うっ」と声を上げる。怒りをあらわにしていても、言葉が出ないようだ。
「では、私は忙しいので失礼いたしますわ」