悪役令嬢リセルの恋
「あのご令嬢のことです。きれいではありませんか?」
頬を染めた令息たちに囲まれているシンデレラを示せば、クロードは一瞥したのみで首を傾げる。
「いや、俺がきれいだと思うご令嬢はリセルだけだよ」
さらりとのたまってくれる。
「あ……」
リセルは安堵やうれしさで胸がいっぱいになり、気の利いた言葉を返すこともできない。ただ、彼のきれいな瞳を見つめるだけだ。
「それより、バルコニーに行こうか。ゆっくり話をしたい」
シンデレラの登場で騒がしくなったホールからバルコニーに移ると、一気に静けさに包まれた。
月の明かりに照らされた庭園が美しく見える。
風に吹かれたリセルの髪がふわっとなびき、クロードが一束の髪に指を絡め、そっと唇を落とす。
「リセル、きみは俺の心を捉えて離さない。こんな気持ちになったのは初めてだ」
そういってクロードはリセルの手をそっと握った。
リセルの胸がうるさいくらいに高鳴っている。
「私も……初めて会ったときから、セドリックさまに心を奪われています。今日もあなたに会うためだけに来ました」
リセルの告白に、クロードの表情が嬉しそうな照れ笑いに変わった。
「実は青狼にきみを探させていたんだが……玉座にいる間、きみがほかの令息にダンスを申し込まれやしないかと、ずっと、ひやひやしてたんだ」
今宵は人が多すぎた。と苦々しさを伴う声音だ。
頬を染めた令息たちに囲まれているシンデレラを示せば、クロードは一瞥したのみで首を傾げる。
「いや、俺がきれいだと思うご令嬢はリセルだけだよ」
さらりとのたまってくれる。
「あ……」
リセルは安堵やうれしさで胸がいっぱいになり、気の利いた言葉を返すこともできない。ただ、彼のきれいな瞳を見つめるだけだ。
「それより、バルコニーに行こうか。ゆっくり話をしたい」
シンデレラの登場で騒がしくなったホールからバルコニーに移ると、一気に静けさに包まれた。
月の明かりに照らされた庭園が美しく見える。
風に吹かれたリセルの髪がふわっとなびき、クロードが一束の髪に指を絡め、そっと唇を落とす。
「リセル、きみは俺の心を捉えて離さない。こんな気持ちになったのは初めてだ」
そういってクロードはリセルの手をそっと握った。
リセルの胸がうるさいくらいに高鳴っている。
「私も……初めて会ったときから、セドリックさまに心を奪われています。今日もあなたに会うためだけに来ました」
リセルの告白に、クロードの表情が嬉しそうな照れ笑いに変わった。
「実は青狼にきみを探させていたんだが……玉座にいる間、きみがほかの令息にダンスを申し込まれやしないかと、ずっと、ひやひやしてたんだ」
今宵は人が多すぎた。と苦々しさを伴う声音だ。