悪役令嬢リセルの恋
「きっと、結婚の意思よ! 舞踏会の時に公子さまは私をお見初めくださったのよ! お返事書かなくちゃ。ちょっとそこの侍女、髪とペンを持ってきてちょうだい」
姉に命じられた侍女は澄まし顔で立ったまま、微動もしない。
「早く! 聞こえないの!」
「私どもはリセルさまの侍女でございます。ほかの方々の命令を聞く義務はございません」
「私は、リセルの姉なのよ!? シルフィードの家に仕えている分際で生意気よ!」
激昂した姉が立ち上がったので、護衛騎士がすばやくリセルの体を庇う。警戒心が素晴らしい。
「なによ……なんなのよ……リセルばっかり。こんな女のどこがいいのよ」
「皇太子殿下の婚約者さまを侮辱するということは、皇家を侮辱していると捉えます。リセルさま、この者を粛清しましょうか」
アクセルが剣を握りつつ問うので、慌てて「やめてちょうだい」と止めた。
──あぶない……ほんとに血気盛んなんだから……。
クロードが彼を送り込んだのは、こんな事態を期待してのことかもしれない
『リセルの目に入らないように、消したいくらいだ』と、のたまったくらいなのだから。
「もう一度申し上げますが、私どものご主人はシルフィード伯爵夫人ではなく、皇太子殿下でございます」
「わかったわよ……」
青ざめた姉が自分で筆記具を取りに向かった。
姉に命じられた侍女は澄まし顔で立ったまま、微動もしない。
「早く! 聞こえないの!」
「私どもはリセルさまの侍女でございます。ほかの方々の命令を聞く義務はございません」
「私は、リセルの姉なのよ!? シルフィードの家に仕えている分際で生意気よ!」
激昂した姉が立ち上がったので、護衛騎士がすばやくリセルの体を庇う。警戒心が素晴らしい。
「なによ……なんなのよ……リセルばっかり。こんな女のどこがいいのよ」
「皇太子殿下の婚約者さまを侮辱するということは、皇家を侮辱していると捉えます。リセルさま、この者を粛清しましょうか」
アクセルが剣を握りつつ問うので、慌てて「やめてちょうだい」と止めた。
──あぶない……ほんとに血気盛んなんだから……。
クロードが彼を送り込んだのは、こんな事態を期待してのことかもしれない
『リセルの目に入らないように、消したいくらいだ』と、のたまったくらいなのだから。
「もう一度申し上げますが、私どものご主人はシルフィード伯爵夫人ではなく、皇太子殿下でございます」
「わかったわよ……」
青ざめた姉が自分で筆記具を取りに向かった。