悪役令嬢にならないか?
 地下書庫で二人きりになると、リスティアは調査の内容をウォルグに報告していた。
「やはり、脅されているのだろうな」
 ミエルはオスレム男爵の養子となった人物であり、孤児院から引き取られた。そして、オスレム男爵は妻帯していない。
「どうにかして、ミエルさんを救う方法はありませんか? ミエルさんのお菓子から彼らを救ったように」
 ミエルはこの学園に中途半端な時期に転入してきた。そのときに「お近づきの印に……」と、オスレム男爵の手掛けている商会のお菓子を振舞った。
 その数日後、彼女からお菓子を受け取り食べた人物を彼女は侍らせるようになる。それがおかしいと思ったのはウォルグであり、彼はミエルが配っていたお菓子を分析していた。
 そして、興味のあった薬草学の知識がここで役立った。
 このお菓子は危険だ。それが、ウォルグの調べた結果でもあった。
 すぐさま王宮薬師に相談、解毒薬を準備し彼らにそれとなく飲ませておく。だが、ミエルの側にいて、彼女を監視するようにと指示を出し、ウォルグ自身もミエルの信望者として演じ始める。
 さらにミエルは、取り巻きの男たちを使ってアルヴィンにまで近づくようになった。むしろ、彼女とアルヴィンを会わせたのはウォルグである。そうでなければ、学園をとっくに卒業したアルヴィンとミエルが知り合える機会などない。
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