念願の婚約破棄された悪役令嬢は、なぜか廃嫡寸前の変人王子に執着される
さらに、式はキャンセルせずに、その日に妹と挙げると言われたときの私の気持ちがわかるだろうか。
すでに両親には根回し済みで、知らないのは私だけだった。

結婚式でまざまさと、幸せなふたりを見せつけられた。
なんでウェディングドレスを着て彼の隣に立っているのが、妹なんだろう。
なにが悪かったのか自問自答し続けたが、わからなかった。
きっと、わからないからダメなのだ。
世界に深く絶望した私はその夜、――自ら命を、絶った。

男なんて信じない。
もう誰も、好きにならない。
前世の記憶が戻った私は固くそう誓い、そのために人に嫌われるように演じてきた。
なのにどうして、こんなにもコーデリック王子に執着されているのだろう。

「シャローラ、俺を愛していると言え!
言えば終わるんだぞ!」

王子の声に悲壮感が漂いだす。
限界を超えても絶頂を味わわされ、意識は朦朧としていた。
それでも最後の気力で、ふる、ふる、と力なく首を横に振る。

「バカだ、お前は……!」

「ああっ、ぁ……」

もう何度目かわからない絶頂のあと、意識はぷつりと途絶えた。


……歌が、聞こえる。
これ、なんの歌だろう?
酷く、優しい歌……。

ゆっくりと瞼を開くと、コーデリック王子と目があった。
途端に、歌が途切れる。

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