私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
慌ててアレックス様の前に出て、彼に声をかけた。
「ご、ごきげんよう、アレックス様。ちょっとお話ししたいことがあるのですが、お時間いただけないでしょうか?」
超絶美形の彼を前にすると、やはり声が震えてしまう。
「話? ここではダメなのか?」
アレックス様は私に目を向けると、面倒くさそうに尋ねてくる。
みんなの前で婚約破棄の話なんてできるわけがない。
「ふたりだけでお話をしたいんです」
アレックス様の目をじっと見つめてお願いすると、ルーカス様が私に味方してくれた。
「アレックス、大事な婚約者殿の頼みは聞くものだよ。ここで断ったら、マリアちゃんだって嫌な思いをするだろ?」
ダークブラウンの髪に琥珀色の目をしたルーカス様はアレックス様と同じくらい長身で、肌は小麦色でどこかエキゾチックな顔立ちをしている。
ルーカス様はアレックス様と幼馴染でとても仲がいいという設定だったけれど、ここでもそれは同じようだ。
ちょっとナンパな雰囲気だけど、女の子に優しそう。
「わかった。マリア、来い」
アレックス様は無表情で返事をして、私の手を掴むとスタスタと歩き出す。
突然手を掴まれて、心の中でキャーと叫ぶが、なるべく表情には出さないよう小走りで彼についていく。
「ここならいいだろう」
アレックス様が入ったのは、生徒会室と書かれた部屋。
あっ、そう言えば彼は生徒会長だったっけ。
「それで、話とはなんだ?」
エメラルド色の目が私を見据えている。
メドゥーサではないけれど石になってしまいそうだ。
「あの……その……アレックス様からこ、こ、婚約を破棄してもらえないでしょうか?」
つっかえたけど、言った。言えた!
皇太子とマリアの関係に親密さはなかった。マリアは皇太子に熱を上げていたけれど、皇太子の方はいつでも礼儀正しい婚約者って感じで、好きという感情はなかったように思う。
だから、お願いすればすぐに破棄してもらえるかもしれない。
そう期待していたのだけれど……。
「それはダメだ。貴族達の勢力バランスを考えた上での婚姻だ。気まぐれで破棄することはできない」
「ご、ごきげんよう、アレックス様。ちょっとお話ししたいことがあるのですが、お時間いただけないでしょうか?」
超絶美形の彼を前にすると、やはり声が震えてしまう。
「話? ここではダメなのか?」
アレックス様は私に目を向けると、面倒くさそうに尋ねてくる。
みんなの前で婚約破棄の話なんてできるわけがない。
「ふたりだけでお話をしたいんです」
アレックス様の目をじっと見つめてお願いすると、ルーカス様が私に味方してくれた。
「アレックス、大事な婚約者殿の頼みは聞くものだよ。ここで断ったら、マリアちゃんだって嫌な思いをするだろ?」
ダークブラウンの髪に琥珀色の目をしたルーカス様はアレックス様と同じくらい長身で、肌は小麦色でどこかエキゾチックな顔立ちをしている。
ルーカス様はアレックス様と幼馴染でとても仲がいいという設定だったけれど、ここでもそれは同じようだ。
ちょっとナンパな雰囲気だけど、女の子に優しそう。
「わかった。マリア、来い」
アレックス様は無表情で返事をして、私の手を掴むとスタスタと歩き出す。
突然手を掴まれて、心の中でキャーと叫ぶが、なるべく表情には出さないよう小走りで彼についていく。
「ここならいいだろう」
アレックス様が入ったのは、生徒会室と書かれた部屋。
あっ、そう言えば彼は生徒会長だったっけ。
「それで、話とはなんだ?」
エメラルド色の目が私を見据えている。
メドゥーサではないけれど石になってしまいそうだ。
「あの……その……アレックス様からこ、こ、婚約を破棄してもらえないでしょうか?」
つっかえたけど、言った。言えた!
皇太子とマリアの関係に親密さはなかった。マリアは皇太子に熱を上げていたけれど、皇太子の方はいつでも礼儀正しい婚約者って感じで、好きという感情はなかったように思う。
だから、お願いすればすぐに破棄してもらえるかもしれない。
そう期待していたのだけれど……。
「それはダメだ。貴族達の勢力バランスを考えた上での婚姻だ。気まぐれで破棄することはできない」