悪役令嬢はクールな魔道師に弟子入り致します
暗闇の中で彼の手の温かさを感じる。
「リリー。オスカー様付の魔道師の消息が途切れた」
「え?」
「彼は私のライバルだった魔道師。王様が将来のためにと王太子であるオスカー様に付けていたんだが、どうやら裏目に出そうだ」
私は驚いて彼の方を向いた。暗闇で彼の顔が見えない。
「セシル、どういう意味?」
「君に護身魔法を教えたら、僕はここを離れることが多くなるだろう。実は南の辺境の報告で気になることがあるんだ」
「……」
私はゲームのことを必死に思い出そうとした。でもセシルルートのことはよくわからない。王太子ルートを中心にやっていたからだ。
「悪いが、結婚は少し延期だ」
「……え?」
「安心しろ。僕の結婚相手は君だけだし、いずれ必ず結婚する。もう少し平穏になってからだ。この国を捨てようと思ったが、やはり出来ない。僕の教え子が大勢辺境で国を守っている。彼らを死なせたくはない」
「わかったわ。それでこそ筆頭魔道師セシルよ。私はいつまでも待ってる。その間に、私は薬を民に分け与える場所を作りたいの。そのためにも薬草を極めたい」
「ああ、それはいいかもしれない。君の得意分野だ。リアムも薬草の知識はかなりある。そのことについてはリアムに習うといい」
「うん」
セシルは私を抱き寄せるとそっと口づけをした。
「リリー好きだ。でも君をもらうのはもう少ししてから……待っていてくれ。僕も我慢する」
「わかったわ」
星々に包まれて私達はキスを交わした。
その時は幸せいっぱいだった。すぐにセシルのことだから問題を解決してくれると思ったのだ。
まさか、その後本当にこの国の危機が訪れて、私達も危うくなるとは思いもしなかった。(第1章完)
「リリー。オスカー様付の魔道師の消息が途切れた」
「え?」
「彼は私のライバルだった魔道師。王様が将来のためにと王太子であるオスカー様に付けていたんだが、どうやら裏目に出そうだ」
私は驚いて彼の方を向いた。暗闇で彼の顔が見えない。
「セシル、どういう意味?」
「君に護身魔法を教えたら、僕はここを離れることが多くなるだろう。実は南の辺境の報告で気になることがあるんだ」
「……」
私はゲームのことを必死に思い出そうとした。でもセシルルートのことはよくわからない。王太子ルートを中心にやっていたからだ。
「悪いが、結婚は少し延期だ」
「……え?」
「安心しろ。僕の結婚相手は君だけだし、いずれ必ず結婚する。もう少し平穏になってからだ。この国を捨てようと思ったが、やはり出来ない。僕の教え子が大勢辺境で国を守っている。彼らを死なせたくはない」
「わかったわ。それでこそ筆頭魔道師セシルよ。私はいつまでも待ってる。その間に、私は薬を民に分け与える場所を作りたいの。そのためにも薬草を極めたい」
「ああ、それはいいかもしれない。君の得意分野だ。リアムも薬草の知識はかなりある。そのことについてはリアムに習うといい」
「うん」
セシルは私を抱き寄せるとそっと口づけをした。
「リリー好きだ。でも君をもらうのはもう少ししてから……待っていてくれ。僕も我慢する」
「わかったわ」
星々に包まれて私達はキスを交わした。
その時は幸せいっぱいだった。すぐにセシルのことだから問題を解決してくれると思ったのだ。
まさか、その後本当にこの国の危機が訪れて、私達も危うくなるとは思いもしなかった。(第1章完)


