殿下は殿下の心のままになさってください。
***
「あの……すみませんでした」
ふたりきりになった裏庭、花壇の縁に腰掛け、わたしは殿下と隣り合う。
「何が?」
「殿下に嘘を吐かせてしまったことです。わたしを守るために『好き』だなんて嘘を仰ったのでしょう?」
言葉にしながら、申し訳無さが胸を突く。
こんな性格のキツい女、誰からも好かれることはない。可愛げもないし、頭でっかちだし、好かれる要素が皆無なのだから。
「え? 僕はマチルダのことが好きだよ」
本当に、と付け加え、ヴァージル殿下が首を傾げる。わたしは思わず目を瞬いた。
「そんな、馬鹿な……」
「馬鹿と言われたところで、それが事実だ。
はじめはマチルダに興味を持ってもらえないのが悔しくて。単にこちらを振り向かせたいだけだった。
だけど、君は優秀で、自分をしっかりと持っていて、何事にも一生懸命なんだってことに気づいたんだ。リアリストで、ふわふわと夢見がちじゃなく、どこまでも自分の足で歩いていける――――そういう強さが好ましい。僕も君に負けないように頑張らなければと思ったし、マチルダが安心して頼れるような――――甘えられるような存在になりたいと思った。本当だ」
身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなる。心臓がバクバクと鳴り響き、上手く息ができなくなる。
「あの……すみませんでした」
ふたりきりになった裏庭、花壇の縁に腰掛け、わたしは殿下と隣り合う。
「何が?」
「殿下に嘘を吐かせてしまったことです。わたしを守るために『好き』だなんて嘘を仰ったのでしょう?」
言葉にしながら、申し訳無さが胸を突く。
こんな性格のキツい女、誰からも好かれることはない。可愛げもないし、頭でっかちだし、好かれる要素が皆無なのだから。
「え? 僕はマチルダのことが好きだよ」
本当に、と付け加え、ヴァージル殿下が首を傾げる。わたしは思わず目を瞬いた。
「そんな、馬鹿な……」
「馬鹿と言われたところで、それが事実だ。
はじめはマチルダに興味を持ってもらえないのが悔しくて。単にこちらを振り向かせたいだけだった。
だけど、君は優秀で、自分をしっかりと持っていて、何事にも一生懸命なんだってことに気づいたんだ。リアリストで、ふわふわと夢見がちじゃなく、どこまでも自分の足で歩いていける――――そういう強さが好ましい。僕も君に負けないように頑張らなければと思ったし、マチルダが安心して頼れるような――――甘えられるような存在になりたいと思った。本当だ」
身体中の血液が沸騰したみたいに熱くなる。心臓がバクバクと鳴り響き、上手く息ができなくなる。