冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「あの時リュアンが助けてくれて……皆と一緒にいるうちに、やっと気付けたの。自分の中にもちゃんと誰かを笑顔に……幸せにできるもの、あったんだって。ちょっとした言葉や気遣い、誰かのためを思ってすること、皆やってる……当たり前で大切なこと。それを頑張ってたら、皆ちゃんと返してくれてた。気づいてなかっただけで、たくさん幸せ、貰ってたんだ……」
「ああ……わかる気がするよ」
リュアンが愛しそうに頭を撫でてくれ、セシリーはそれをせがむように、できる限り体を近くに寄せた。
「もう、私の中に女神様はいないから魔法なんて使えないけど……。大好きな人たちのために、何かをする、そんな普通のことが魔法みたいに素敵なことだってわかったから。きっと私、もっと幸せになれると思う。あなたや……皆と一緒に」
「当たり前だ。俺がいる以上、どんな不幸も寄せ付けない。力の限りお前を守るよ。なんせ俺は――」
「魔法騎士団長様……でしょ?」
「その通りだ。よくわかってくれてるじゃないか」
息を合わせてふたりは楽しそうに笑うと、正面から顔を近づけた――。
日々の大きな出来事に埋もれがちになっている小さな幸せを、やっとセシリーは見つけだせた。手に取る本の隙間や、何気ない食事や交わす会話、普段行きかう道に咲く花……多くの人に気付かれずとも、それぞれが今もささやかな光を放っている。
ふと忘れても、これからはきっと夜空を見上げれば月がそれを思い出させてくれる。なんといっても隣には、やっと出会えた最高のパートナーがいるのだから……。
〈おしまい〉
「ああ……わかる気がするよ」
リュアンが愛しそうに頭を撫でてくれ、セシリーはそれをせがむように、できる限り体を近くに寄せた。
「もう、私の中に女神様はいないから魔法なんて使えないけど……。大好きな人たちのために、何かをする、そんな普通のことが魔法みたいに素敵なことだってわかったから。きっと私、もっと幸せになれると思う。あなたや……皆と一緒に」
「当たり前だ。俺がいる以上、どんな不幸も寄せ付けない。力の限りお前を守るよ。なんせ俺は――」
「魔法騎士団長様……でしょ?」
「その通りだ。よくわかってくれてるじゃないか」
息を合わせてふたりは楽しそうに笑うと、正面から顔を近づけた――。
日々の大きな出来事に埋もれがちになっている小さな幸せを、やっとセシリーは見つけだせた。手に取る本の隙間や、何気ない食事や交わす会話、普段行きかう道に咲く花……多くの人に気付かれずとも、それぞれが今もささやかな光を放っている。
ふと忘れても、これからはきっと夜空を見上げれば月がそれを思い出させてくれる。なんといっても隣には、やっと出会えた最高のパートナーがいるのだから……。
〈おしまい〉


