□TRIFLE□編集者は恋をする□
「さっきから色々試してるんだけど、納得できなくて」
「ふーん。俺が撮ろうか?」
「……お願いします」
こんなに苦労して写真を撮っていたのに諦めて人任せにするのは悔しいけれど、このバッグを素敵に撮ってあげる事の方がずっと重要だ。
私が大人しくお願いすると、片桐は三脚の上にセッティングされたカメラの方を振り返りまた軽く自分の顎に触れる。
「前に俺が作った枠付きのトレペあったよな」
そう言いながら、部屋の端から大きな枠に貼られたトレーシングペーパーを出してきて、ライトの前に置いた。
「あと、黒レフ取って」
「え?黒?」
私がそう確認すると、片桐は無言で頷く。
私が手渡した黒いレフ板をライトの反対側、バッグの右下にセッティングして、片桐がカメラの前に立った。
三脚の上の一眼レフカメラの小さなファインダー。
長身の片桐が屈むようにしてそこを覗き、長い指がシャッターに触れる。
片桐がシャッターを切ると同時に音をたてて光るストロボ。
カメラとケーブルで繋がれたパソコンのディスプレイを見ると、そこにたった今片桐が撮った写真が写しだされた。
「うわ……」
それを見た瞬間、思わず声が漏れた。