□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

ごくりとつばを飲み込む私に気付いた片桐が、苦笑いしながら割りばしで海老の天ぷらを持ち上げた。

「平井。一口食うか?」

「え、いいの?」

海老が大好物な綿氏は、おいしそうな海老の天ぷらを目の前に差し出されて、我慢できずにぱくりと食いつく。
ぷりぷりの海老の身と、衣のサクサクの部分と下の甘めのうどんのつゆを吸ってじゅわじわの部分がもう……!

「おばちゃん、本当に最高……。本気で私の嫁になってほしい」

「もう、またバカな事を言って。私を嫁にもらおうとする前に、あんたが嫁に行く努力をしなさい」

美味しさのあまり叫ぶ私を、おばちゃんがぴしゃりと叱った。

「平井さんって料理しないんですか?」

そう聞いてきた三浦くんに首を横に振る。

「一応できないわけじゃないよ。小さい頃おばあちゃんに料理の基本を仕込まれたから」

「へぇ、おばあちゃんですか?」

「うん。私、母親よりおばあちゃんにしつけられて育ってきたから」

「あぁ、なんとなくそんな感じするな。ずぼらなクセに変な所きちんとしてて」

なにか納得したように言った片桐を、振り返って睨んだ。

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