□TRIFLE□編集者は恋をする□
マンションに帰り、たっぷりとお湯をはったお風呂に入ってあったまった頃、自分のスマホが鳴っているのに気が付いた。
こんな時間に誰だろう。編集長だったらいやだな。
そう思いながら、バスタオルを体に巻き着信を確認すると、片桐からだった。
「はい、もしもし」
『今大丈夫か?』
「うん。どうかした?」
『今日お前の家に泊まってもいいか?』
「……え。泊まるって、うちに!?」
驚いて言葉につまる。その動揺を否定にとらえたのか、片桐は『無理ならいいや』と電話を切ろうとした。
「いや、無理じゃない!大丈夫!全然大丈夫!」
『わかった。じゃあ今から行くわ』
「うん」
勢いで大丈夫と言ってしまったけど、片桐が泊まりに来るなんて。どうしよう。
と、とりあえず部屋の片づけを……!
いや、その前に服を着て髪を乾かさなきゃ!
私は電話を切ってから、大慌てで部屋中を走り回った。