□TRIFLE□編集者は恋をする□
 
「うわぁ……。綺麗……」



誰からともなく小さな溜め息が漏れる。

白い十字架の後ろにある一面ガラス張りの窓から見える雪景色が、柔らかい光で満ちていた。

「え、どうしてこんなに明るいの?もう、日が落ちたはずなのに」

「降り積もったばかりの新雪は、結晶の形が崩れていないのですごく綺麗に光を反射して拡散させてくれるんです」

不思議そうに目を見開く新田さんに、近づいて説明をする。

「小さな光でも乱反射を繰り返して、びっくりするくらい明るく見えるんです。小さな頃、新雪が街明りを反射して外がすごく明るくて、雪の降る日は気になってなかなか寝付けなかったのを思い出して。光さえあればなんとかなるかなと思って、ホテルの人にお願いしてできるだけ外の雪に向かって照明当ててもらったんです」

「そうなんだ。なんだかすごく幻想的な景色」

太陽の光とも、月明かりとも違う、空も空気もぼんやりと光っているような真っ白で柔らかい光に新田さんは見惚れていた。
確かに、このチャペルからぼんやりと光る雪に覆われた森を見ていると、まるで天国にでもきたようななんともいえない神聖な気持ちになる。

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