□TRIFLE□編集者は恋をする□
「平田ちゃん、ありがとう。これならキャンドルだけで撮影できるよ。これだけ全体に光がまわれば、昼間に撮るよりずっと綺麗に撮れそうだよ」
「本当ですか?そう言ってもらえてほっとしました」
あぁよかった。
岩本さんの言葉に胸をなでおろしながら、さすがに疲れて撮影の邪魔にならない後ろの椅子にへたり込む。
「平井さん、今までどこに行ってたんですか!?」
三浦くんが怒ったように言いながら私の隣に座って来た。
「あぁ三浦くん、勝手にいなくなってごめんね」
「髪濡れてますよ。一体なにしてたんですか?」
三浦くんは近くにいたホテルの人にタオルを貸してくださいと声をかける。
「必死で雪かきしてた」
「は?雪かき?」
「うん、このホテルの森の中のコテージに続く小道に、足元を照らす用の照明があったのを思い出して、あれを照らせば外が明るくなるだろうなと思って、雪の中から掘り起こしてホテルの人に照明つけてもらってた。手袋無しで必死に雪かきしていたから、冷たくてもう指の感覚無いよ」
かじかんだ手を三浦くんに見せて笑うと、大きなため息をつかれた。
「もう、本当になにやってんですか……」