□TRIFLE□編集者は恋をする□
 


「それにしても美咲さん、綺麗でしたねー」

帰りの車の中。ハンドルを握った三浦くんは明るくそう言った。

「片桐さんって、面食いなんですね」

助手席から彼を睨んだけれど、突き刺さる私の視線を無視して彼は楽し気に話続ける。

「あれ?でも、じゃあなんで面食いの片桐さんは、平井さんに手を出したんですかね」

「三浦くん、むかつく」

そうつぶやくと、こちらを向いた三浦くんの表情が固まった。

「ちょっと、平井さんなに泣いてるんですか」

「泣いてない!」

「いや、冗談ですからね?平井さんだって、充分可愛いですよ」

「なぐさめないでよ。泣いてないんだから」

「泣いてるじゃないですか思いっきり」

それでも泣いてないと言い張る私に呆れたように、三浦くんがため息をつく。

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