□TRIFLE□編集者は恋をする□
「で。片桐くんと三浦くん、どっちが本命なの?」
「な……っ!」
唐突なおばちゃんの質問に、一瞬言葉につまる。
「な、なに言ってるの。どっちもただの仕事仲間だからっ!」
動揺しながらなんとか誤魔化した私を、おばちゃんは探るような目で見つめた。
「ふーん。ただの仕事仲間なんだ」
「し、仕事仲間だよ。それだけだよ」
「片桐くんと何もないの?」
「ないよ」
「本当に?」
「本当だよ!」
本当は何もなくはないけれど、この微妙な状況を説明する気にもなれずに、なんとかそう言い張る。
「前にうちの店で飲んだ時、三浦くんにお持ち帰りされそうになったところを助けに来たのに何もなかったの?」
「な……っ!!!」
「ほら、やっぱり何かあったんじゃないの」
目を見開いた私を見て、おばちゃんは勝ち誇った。
「ど、どうしておばちゃんがその事を知ってるの!?」
「だって、あの時私が片桐くんに電話したんだもん。平井ちゃんが三浦くんに口説かれてお持ち帰りされそうになってるけど、放っておいていいのかい?って」
「……おばちゃんが?」
確かに、すごいタイミングで片桐が来たと思ったけど、おばちゃんが電話していたんだ。