□TRIFLE□編集者は恋をする□
「平井さん。あんな約束しちゃって大丈夫なんですか?」
病院からの帰り道、近くの地下鉄の駅へと向かって歩きながら三浦くんは心配そうに私を見た。
「うーん……。大丈夫じゃないけど、おばちゃん強引なんだもん」
「平井さん不器用だから、酷い事になりそうですよね」
「……悔しいけど、私もそう思う」
苦渋の表情を浮かべる私を見て、三浦くんは呆れたように笑った。
笑うなんてひどい。
おばちゃんに強引なお願いをされて、私も困ってるのに。
「ねぇ、三浦くん、私のかわりに……」
「いやですよ。約束したのは平井さんなんですから、ちゃんと自分で責任とってくださいね」
こんなに私が困ってるのに、さらっと流す三浦くんが恨めしい。
「冷たいなぁ。いつも冗談で口説いたりするくせに、こういう時に助けてくれないんだから」
不貞腐れながらそう言うと、三浦くんが足を止めた。
なんで急に立ち止まるの?と不思議に思いながら三浦くんを振り返る。
「三浦くん……?」