□TRIFLE□編集者は恋をする□
「そこまで言うなら、助けてあげてもいいですよ」
「本当?」
「そのかわり、俺と付き合ってください」
目の前の三浦くんの表情は今まで見た事もないくらいに真剣だった。
私の動揺を感じ取ったのか、茶色の髪の間からのぞく綺麗な二重の瞳をゆっくりと細める。
「そういう事誰にでも言ってるんでしょ。冗談で付き合うとか言わない方がいいよ」
取り繕うように笑顔を作ると、三浦くんの指が私の口を塞いだ。
「平井さんはいつも俺の言葉を冗談だって決めつけるけど、俺が平井さん以外の女の子を口説いてるの見た事あります?」
「ええと……」
混乱する私を見下ろして、三浦くんが大きなため息をついた。
「もういいや。行きましょうか」
何事もなかったかのように地下鉄の駅に向かって歩き出す。
その三浦くんの後姿を見ながら、私も少し距離を置いて歩き出した。