□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「あ、大丈夫だよ。カメラマンが美咲さんのを口説かないようにしっかり私が見張ってるから」

「どこの店に行くんだ?」

「今月掲載してるすすきののダイニングバーだけど……」

私が店名を言うと、片桐が「あぁ、あそこか」と頷いた。

「美咲さんから今日の事聞いてなかったの?」

やっぱり二人きりじゃないとはいえ、他の男の人と飲みに行くのは彼氏に言いづらくて黙ってたのかな。
余計なことを言ってしまったかもと思いながら恐る恐る聞く。

「そんな事よりお前、その服胸元開きすぎだろ」

片桐は呆れた表情をしていた。

「言われなくても、私は葉月さんみたいに色気がないから、こんな恰好変だってわかってるよ!」

胸元を手で隠しながらそう言う。

本当は、いつもと雰囲気の違う私を見て片桐がドキドキしてくれないかな、なんて少し期待していた自分が馬鹿みたいだ。

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