□TRIFLE□編集者は恋をする□
ものすごく気まずい。
私はあきらかに邪魔者だ。
「美咲ちゃん、遅いねぇ」
「さっき少し遅れそうってメッセージが来ました」
「そっかぁ。じゃあ先に頼んじゃおうか」
「そうですね」
店員さんを呼び、さくさく注文する岩本さんを見ながらこっそりため息をつく。
呼ばれてもいない邪魔者の私が、個室で二人っきりっていうのはけっこう気まずい。
早く美咲さん来てくれないかな。
店員さんが運んできたジョッキを私に渡して、さっさと自分のビールに口をつける岩本さん。
きっとお酒に強いんだろうな。
ごくりごくりと豪快に喉をならして、あっという間にジョッキの半分を飲み干してしまった。
「それにしても平井ちゃん。今日なんか雰囲気違うねー」
岩本さんは口についたビールの泡を手の甲でぬぐいながら、ひょいと私の胸元を覗き込む。
「えっ……と、同僚の女の子たちがたまにはおしゃれしろってメイクをしてくれたんですけど、こういう女らしい恰好似合わないですよね」
苦笑いしながら、さりげなく胸元を隠して岩本さんから少し離れた。