□TRIFLE□編集者は恋をする□
「それよりも、この前の撮影の写真見て感動しました。さすが岩本さんですよね。あのチャペルの荘厳な空気が写真だとより美しくて」
こんな時は仕事の話だ!と強引に話題を変えて身を乗り出した。
「あぁ、あれは平井ちゃんのファインプレーでしょ」
「いえいえ、私なんてなにも」
「若くて可愛い編集の女の子が、撮影の為に雪の中であれだけ奮闘してくれたら、男としては意地でもいい写真とらなきゃって思うじゃん」
「少しでもお役に立てたんなら、頑張ったかいがあります」
「役に立った、役に立った。平井ちゃんはえらいよ」
すでに二杯目のジョッキを空にした岩本さんは、若干酔いがまわって来たんだろう。にやにやと笑いながら、私の頭を撫でる。
「ありがとうございます」
頭を下げながら少しだけ岩本さんから離れた。
お酒が入っているのもあるんだろうけど、ちょっと距離が近くて困る。
「岩本さんは、普段はグラビアの撮影が多いんですよね?」
「そうだね。頼まれればヌードも撮るよ。平井ちゃん今度撮ってあげようか?」
「いえ、いいです」と苦笑いする。