□TRIFLE□編集者は恋をする□
「人を撮る時のコツってあるんですか?」
「平井ちゃん写真に興味あるの?」
「興味というか、仕事で撮影もするので。人物も綺麗に撮れるようになれたらいいなぁと思って」
「平井ちゃんの雑誌って、編集者が自分たちで撮影するんだっけ」
「そうなんです。カメラに詳しい同僚に教えてもらってるんですけど、なかなか難しくて」
「まぁねぇ。編集者がちょっとカメラに詳しいっていったって、大したことないからねぇ。そんな奴に教えてもらってもダメだよ」
ぐびぐびとお酒を飲みながら、編集者を見下すような岩本さんの言い方に、少し引っかかった。
「あ、編集と言っても、もともとはフリーのカメラマンだったので……」
「フリーって札幌ででしょ?しかもカメラ一本じゃ食べていけないから編集してるんでしょ?そんなのたかが知れてるよ」
「片桐は、そんなんじゃ……」
「新田さんもTRIFLEの表紙の写真がいいとか言ってたけど、北海道の景色なんて誰が撮ってもそれなりに絵になるじゃん。まぁ、俺はそいつの写真見た事ないけどさぁ」
勝手な事をズバズバと言われて、私は奥歯をかみしめた。