□TRIFLE□編集者は恋をする□
落ち着け。
岩本さんは酔っぱらって少し口が悪くなってるだけだ。
酒の席の言葉にムキになって反論するなんて、大人げない。
言いたい事をぐっとこらえて、わかりに目の前のジョッキを引き寄せ一気にあおった。
「お、平井ちゃんけっこう飲めるね!次何飲む?」
「いえ、私あんまりお酒強くないので……」
「酔ったら俺が介抱してあげるから。カクテルにする?それともワイン?」
「でも、私明日も仕事ですし」
「編集部なんて昼ごろ出社でいいんでしょ?ほら、せっかく東京から来たんだから付き合ってよ」
断っているのに、ぐいぐいお酒を勧めてくる岩本さん。
こんな時デガワだったら相手の機嫌を損ねる事なく、上手にお酒を断るんだろうな。
なんて思いながら、渋々お酒に口をつける。
「美咲ちゃんも美人だけど、平井ちゃんも可愛いよね」
岩本さんは身体をこちらに寄せ、私の膝の上に手を置いた。
「札幌は美人が多いよねー」
膝を触られただけで、ぞわっと鳥肌が立った。