□TRIFLE□編集者は恋をする□
「それに、仕事の話をしながら身を乗り出して、俺に胸の谷間見せて誘ってたんでしょ?」
「ち、ちが……っ!」
こんな女らしい服着なれてないから無意識でいつもと同じ仕草をしていただけなのに。そんな風に思われていたなんて。
「二人きりでこんな胸を見せられたら我慢できないよ」
「ちょっと……!岩本さん!!やめてくださいっ!!」
岩本さんは私を後ろから抱きしめ、髪に顔を埋めてくる。
耳元にお酒の匂いのする湿った息を吐きかけられて、嫌悪感にゾッとした。
その時、テーブルに置いた私のスマホが小さく震えだした。
「あ、ちょっと電話が……!」
誰からの着信からも確認しないまま、すがるように電話に飛びつく。
「はいっ、もしもし」
『平井、今大丈夫か?』
「片桐っ……!」
聞こえてきたのは、低く通る片桐の声。
「もぉー、平井ちゃん。電話なんていいからさぁ」
「きゃ……!」
岩本さんは私にしなだれかかってくる。
『どうした!?』
「片桐、た、助けて……!」
するりと服の中に入って来た岩本さんの手に、思わず助けてと叫んでいた。