□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

条件反射で取り出して確認すると、編集長からの着信。

「はい、もしもし」

編集長から仕事以外で電話がかかってくることはない。
何かトラブルがあったんだ。
目の前の美咲さんの事が一気に頭から吹き飛んで仕事モードに切り替わる。

『来月号に掲載予定だった郊外のアートカフェイベント、中止になった』

編集長は前置きもなしに本題に入った。

「延期じゃなくて中止って、なにかあったんですか?」

『開催予定地の駐車場と交通機関の問題で、地元の住民ともめたらしい』

「なるほど。じゃあ予定してた見開きのページ、没ですね」

『何か代わりになる案あるか?』

「えーっと……」

いまから用意して、見開きを埋められる企画……。
と頭の中をめぐらせて、今日届いたダンボールを思い出す。

「コラムで紹介する予定で雑貨や文房具をリースしてるんです。ちょうど新年度で新しい便利グッズがたくさん発売されてるので、読者も興味があるかなと思うんですが」

『それで見開き埋められそうか?』

「はい。撮影も自社スタジオでできるので、スケジュール的にも大丈夫だと思います。私これから一度編集部に戻ってまとめてみます」

『わかった。俺も今から戻るから……』

「私一人で大丈夫です!」

『あ?』

言いかけた言葉を遮った私に、編集長は不機嫌そうな声をあげた。

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