□TRIFLE□編集者は恋をする□
「へぇ、スタジオなんてあるんだ」
「窓のないただの狭い部屋なんですけどね」
編集部に来た時は不機嫌そうだった美咲さんも、見慣れない照明やストロボが並ぶスタジオに興味津々のようで、少し楽しげに辺りを見回す。
「ふーん、自分で撮影するんだ」
パソコンを立ち上げカメラのセッティングをする私を見ながら、美咲さんは部屋のすみに置いてあった丸椅子に腰かけ足をぶらぶらさせた。
今回はカメラを三脚に固定せず、手持ちで撮影していく。
反射でパッケージの商品名が見えづらくなったりしないように、ライトの位置に気を付けながら何枚か写真を撮って、背後にあるパソコンで色のバランスを確認する。
片桐に物撮りのコツを色々教えてもらったおかげで、だいぶ綺麗に商品を撮れる様になってきた。
この調子でパッケージを全部撮ったら、次は開けて実際に使ってる様子を……。撮影の順番を頭の中でシミュレートしていく。
「そういう撮影用のカメラって重くないの?」
私の様子をぼんやりと見ていた美咲さんが、ぽつりと聞いてきた。